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“元町”の商店街と公園
元町商店街から元町公園へ
元町商店街(公式サイト)側から元町公園(公式サイト)へと向かう場合、最短となるのは水屋敷通り(元町商店街の東側から元町公園の入口に向かって伸びた)を進んでいくルートです。
後述しますが、通りの名前は通り沿いに”水屋敷”と呼ばれる遺構があることに依っています。
水屋敷通りは、みなとみらい線の元町中華街駅側から元町商店街に入ったとき、最初の交差点と”代官坂“へつながる通りの間に通された通りですが、そもそも商店街と公園間、体感距離的には必ずしも”すぐ傍”を感じさせるという距離でもありません。
かといって、寄り道が苦になるほど双方が離れているようなこともありませんということで、元町商店街・元町公園間には”水屋敷通り”ルート以外にも双方を結ぶルートがあるのですが、
例えば、
1.元町商店街に入ってすぐの交差点から見尻坂方向へと進んだ後、見尻坂を上らずに分岐を右側へ進むルート(貝殻坂から山手本通りに向かう場合などにお勧めとなるルートです)
あるいは、
2.代官坂の途中で元町公園方面へと進むルート
などが用意されています。
極端な大回りではなく、「普通はあんまりそういう進み方はしないけど、そういう歩き方でも向かえることは向かえます」という感じの、あくまで最短ルートである”水屋敷通り”経由に対する別ルートですね。
“1”や”2”の道は、「利用がマストか」と問われるとそんなことは全くないような気もします。
「元町パセオのあたり(外国人墓地側)にいて元町公園へ」なんてことを思った場合には”1”がお勧めになるかもしれない、「代官坂の石碑があるあたりにいて元町公園へ」という場合には多分”2”がお勧めになる、という感じのルートです。
商店街などが伝えてくる元町とはまた違った”元町”を味わえることにはなるのではないかな、という”風情によるもの”もさることながら、それ以上に”近道”であることの利点が多いという道ですが、以下では”水屋敷通り”について進めます。
ジェラール水屋敷跡と、水屋敷通り沿いの風景
水屋敷通りをまっすぐ進んで元町公園の中央入口へと向かう、”公園・商店街間”の最短ルートでは、”ジェラール水屋敷の貯水槽”傍を通過します。
開港期にアルフレッド・ジェラールさんというフランス人のレンガ・西洋瓦工場が置かれていたこと、かつ船舶への給水を行っていた貯水槽が置かれていたことの名残りが現在に伝えられている、という形の”遺構”ですね。
このうち後者、給水業のための貯水槽が置かれていたことが、今日いわれている”水屋敷”の呼称へと繋がりました。
現在、ジェラールの水屋敷は国によって有形文化財に登録されていますが、かつてここから給水された山手の湧き水はかなり良質の水だったようで、ミナト・ヨコハマの知名度を世界的なものにすることにも一役買っていたとされています。
余談として、ビヤザケ通り沿いにある北方町のビール井戸や横浜地方気象台敷地内にある井戸跡等には遺構という形で、ワシン坂の湧水などでは今も湧き水として、”その昔の横浜山手と湧水”の関係跡が残されています。
”水屋敷の貯水槽跡”も、かつてを偲べる遺構の一つではありますが、
現在は、中で鯉が泳いでいます。