この記事を読むのに必要な時間は約 9 分20秒です。
JR根岸線・桜木町駅(みなとみらい線・馬車道駅最寄り駅)
about 桜木町駅
根岸線隣接駅とみなとみらい線最寄り駅
JR桜木町駅は、根岸線では関内駅(大船方面)と横浜駅(東京方面。みなとみらい線・JR共通)に隣接します。
みなとみらい線の最寄り駅は、意外なことに(?)馬車道駅です。新市役所がオープンしたことによって、JR桜木町駅とみなとみらい線馬車道駅、両駅間の距離は一層縮まりました。
旧来より関内駅の北口が(根岸線の中では馬車道商店街最寄りの)馬車道口であったということ、および”みなとみらい地区”の根岸線最寄り駅が桜木町駅であるということが前提知識になっていると、思わぬ盲点となってしまいそうな所ですね。
みなとみらい駅ももちろん桜木町駅から徒歩圏内に位置していますが(道中には立ち寄りスポットもたくさん用意されていますが)、馬車道駅との距離に比べると、やや駅間が開いています。
これまで、例えば”動く歩道”に代表されるように、わかりやすい動線はみなとみらい駅との間に作られている傾向がありましたが、近年の馬車道地区再開発(特に市役所庁舎の移設や、ロープウェイ敷設)によって、最寄り駅である馬車道駅さらには馬車道エリアとの間の経路が、かなり使い勝手のいいものへと進化しています。
改札・ホーム
新南口方面と桜木町駅ホーム
新南口(市役所出口)は、上り電車の最後尾、下り電車の最前部に位置しています。交通系ICカードの専用出口で、営業時間は朝7時から22時30分までと、ほぼ市役所施設に準拠したものとなっています。
“新南口”を背にして、左から順に4番線~1番線と、4つの乗り場が用意されていますが、根岸線は4番線(上り)と1番線(下り)、真ん中の2番線・3番線は横浜線の発着ホームです。
横浜線の起点となるのは京浜東北線の東神奈川駅ですが、根岸線直通・桜木町駅行きの便も運行されているため、2番線・3番線ホームは”桜木町止まり”となっています。
南改札/北改札
ホーム中央付近(南改札寄りの降り口)と、中央付近からやや横浜駅方面寄り(それぞれ上り線の前方、下り線の後方寄り。北改札寄りの降り口)のところに改札階への階段が作られていますが、
南改札寄りの階段から降りた場合は北改札方面への、
北改札寄りの階段から降りた場合には南改札方面への連絡通路が、それぞれ用意されています。
両改札を結ぶ連絡通路の間には、
初代横浜駅として開業した当時にはじまり、国鉄桜木町駅時代を経て現在のJR桜木町駅に至る歴史が、写真、絵、年表という形で展示され、壁面を彩っています。
南改札傍には観光案内所(CIAL公式サイト)があるので(そのすぐ隣は小さいお土産屋さんです)、
観光に関して何かしらの疑問等がある場合は、とりあえず立ち寄ってみるのがお勧めです(気軽に立ち寄れる雰囲気があって、最新の情報がチェックできる上、パンフレット等も豊富に取り揃えられています)。
観光案内所へ立ち寄りたい場合、駅前広場の正面に出たい場合、野毛方面に用事がある場合などには南改札がお勧めとなるので、下り線・上り線共中央部への乗車がお勧めです。
県立図書館(公式サイト)、県立青少年センター(公式サイト)、掃部山公園(横浜市公式サイト)など紅葉坂方面に用事がある場合(西口方面)、みなとみらい線・みなとみらい駅方面に手っ取り早く進みたい場合(東口方面)等には北改札がお勧めとなるので、下り線であれば中央やや後方、上り線であれば中央やや前方付近への乗車がお勧めです。
駅の周辺
桜木町駅の出口は大きく3方向(新市役所方面、野毛方面、みなとみらい方面)に向けて作られていますが、野毛方面とみなとみらい方面には、それぞれ南北二つの改札があります。
新市役所方面(新南口)
朝7時から22時30分まで使える、交通系ICカード専用の小さな改札口が新南口です。利用条件的にも”市役所のために新たに作られました”感の塊のような改札口です。
従来の南改札や北改札方向とも、エドモンド・モレルさん(日本初の鉄道敷設の功労者)のレリーフや旧横濱鉄道歴史展示(旧横ギャラリー)が置かれたJR桜木町ビル(公式サイト)の裏手に通された細い道で繋がれていますが、南改札の西口経由で桜木町ビルの裏手から進む場合、間に一つ信号を挟むことになります。東口(南北改札共)経由で進む場合にはやや距離があることとも併せて、
市役所に用事がある場合には一択となる改札口が、新南口です(改札上は、初代横浜駅の様子です)。
鉄道創業の地
市役所の最寄り出口であること以外に”新南口の推し”を上げるとすると、さしあたり二点ほど思いつきますが、一点目は、日本初の鉄道敷設関連の史跡巡りにあたって抜群に使い勝手のいい改札口となっている点が挙げられます。
かつて桜木町駅に南北の改札のみがあった頃、”鉄道創業の地 記念碑“が置かれた付近は割と寂れた、それと知っていないと付近を通っても碑を見落とす可能性も無くはなかったような一帯でした。
前記したモレルさんのレリーフや旧横ギャラリーの存在によって”聖地”となっているJR桜木町ビルに向かうにしても、南改札の西口を出た後に信号を渡る必要があったことから、”日本初の鉄道敷設”関連史跡巡りは割とファン向け、マニア向けという要素があるにはありました。
元々”JR桜木町駅といえば東口(みなとみらい)方面”といった開発のされ方をしているのが”みなとみらい”後(平成以降)の一帯です。それでも好きな人は自発的にめぐるだろうけど、さて一般的にはどうだろう、というような印象はどうしてもぬぐえない部分を持っていたんですね。
しかし、という感じで、”鉄道創業の地記念碑“付近も今ではすっかり見違えました(新南口から桜木町ビルへも、信号を渡らずに徒歩1分圏内です)。
営業時間が制限されている点はともかくとして、現在は南北改札にも見劣りしない改札口が新設されています。新市役所の開設と共に改札口が作られたことで、桜木町駅の東口(特に南改札付近)界隈の様子とも併せて、”日本初の鉄道敷設駅”の歴史が自然にPRされていくことになるのではないでしょうか。これも一つのめぐりあわせですが、どこか”落書きだらけの廃墟が一転してみなと横浜の新名所になった”という、赤レンガ倉庫の復活を思わせる奇遇含みの再開発ですね。
さくらみらい橋
続く二点目は、市役所との間をつなぐ(景観抜群の)動線が新設された点です。
桜木町駅の新南口傍から市役所横に向かう歩道は”さくらみらい橋”(横浜市公式サイト)と命名されています。
さくらみらい橋は横浜桜木郵便局横から始まり、桜木町駅入口交差点横へと通された後、大岡川の上を弁天橋に沿うように伸びて市役所横へと進みますが、進行方向の右側に通された大きな通りは、日本大通り・元町中華街方向(開港記念会館や神奈川県庁等を経由し、谷戸橋や元町中華街駅・元町口付近まで)へと向かって伸びた本町通り(国道133号線)です。
この先、本町通りは”旧第一銀行横浜支店“傍に位置する本町五丁目交差点で二手に分かれることになるのですが、そのうち一方が前記した”日本大通り・元町中華街方向へと向かって伸びた本町通り”で、残りの一本は交差点から横浜方面へ伸びた”みなとみらい大通り”となって、市役所・日本丸・ランドマークタワー横等を経由し、起点である栄町交差点まで伸びた後、東京・日本橋へと続く国道15号線へ合流します。
大岡川に架けられた橋上からみなとみらい方向には、エリアの代名詞となっている高層ビル群やロープウェイ(後述)が行き来する様子が望め、
内陸側(旧吉田新田内、関内駅方面)には、弁天橋の向こうに根岸線の鉄橋が望めます。
途中には東口方向への分岐路もありますが、
最終的には市役所横へと繋がっています。
橋上からもその様子をうかがうことが出来るのですが、
市役所の周辺自体はちょっとした広場のようになっていて、特に大岡川沿いの一帯には水辺テラスのテラス席(横浜市役所アトリウム公式サイト “屋外スペース“)も設けられています。テラス席のすぐ横には市役所のフードコート(ラクシスフロント公式サイト)があるので、”街歩き”ルートとしてもオススメな一帯です。
桜木町駅との距離自体が、ほぼ”さくらみらい橋”で示唆されているイメージもありますが、
構造自体もほぼ”駅直結”を思わせるものになっています。
野毛方面(西口南改札、北改札)
西口は、国道16号線(手前の道路)と新横浜通り(奥の道路)を挟んで、野毛方面(野毛本通り公式サイト)へと繋がっています。二本の道路に直交しているのは県道218号線で、京急の日ノ出町、黄金町、南太田各駅もほぼこの道沿いに位置しています。
馬車・人力車の時代を経て”日本初の鉄道”が敷設され、それに伴って初代の横浜駅が出来て以降、横浜船渠に始まる船の工場が置かれていた東口方面に対して、長らく”駅近”繁華街として栄えてきたのが、現在の西口=野毛界隈でした。
江戸時代に武家屋敷街として拓かれた一帯は、明治の世になると鉄道開通、横浜船渠創設によって一大繁華街としての成長を始めますが、第二次世界大戦による戦災及び戦後の混乱が、望まぬ形で一大転機となります。
野毛の町は闇市開催に象徴されるような混とんとした賑わいを見せるようになり、職を求める人や路上生活者が激増するなど治安も悪化、界隈には”闇”が広がっていくことになるのですが、昭和32年(1957年)の公共職業安定所移転、さらには昭和39年(1964年)の東京オリンピック開催によって”望まぬ激動の時代”がゆっくりと終わりへ向かうと、”闇”要素が薄まると同時にかつての”光”も徐々に過去の姿となっていきました。
とはいえ、桜木町駅の現状を見れば明白なように、それで全てが終わったというわけではもちろんありません。周辺一帯の次なる転機は、かつて界隈を賑わせた一要因である旧横浜船渠=三菱重工横浜製作所の本牧地区への移転(昭和58年=1983年)がもたらします。
伏線(横浜六大事業の立案と、そこから派生したみなとみらい21計画の実行)を辿れば1960年代にさかのぼることになるという、大々的な横浜再開発計画の一つにあたる、大工場の移転ですね(参考:横浜市公式サイト “六大事業の基本理念“、”みなとみらい21地区事業概要“)。
跡地が再開発される形で整えられたみなとみらい地区への注目によって、その昔が残された野毛エリアの態様が再び脚光を浴びるという形で、今現在に至っています。
停車場ビュッフェと旧東横線ガード
南改札の西口すぐ傍のところには”停車場ビュッフェ”(CIAL公式サイト)が作られていて、
北改札西口方面との間が繋がれています。
桜木町駅といえばもう一つ、東横線がみなとみらい線直結となる以前はその終着駅でもあったのですが、かつての東横線のガードは今も残されていて、
ガード下は国道16号線沿いの歩道として機能しています。
かつての赤レンガ倉庫同様、かつてのガード下は落書きだらけだったことでも有名でしたが、その点に対しては現在、地域自治体等が一体となった本気の対策が取られています。
ガード下の横には、根岸線の高架との間にも遊歩道が作られています。
みなとみらい方面(東口南改札、北改札)
南北改札の東口を出るとすぐのところから、みなとみらいお馴染みの風景が広がっています。
左側から、コレットマーレ(公式サイト)、県民共済プラザビル(みなとみらい21公式サイト)、ランドマークタワー(公式サイト)、木の陰に隠れているのがクイーンズスクエア(公式サイト)、手前に位置しているのが”YOKOHAMA AIR CABIN“(公式サイト)の桜木町駅です。
出口付近は広場のようになっていて、”広場”部分の端には観光周遊バス”あかいくつ号”(公式サイト)をはじめとする、市営バスのバス停が並んでいます。
北改札付近からの風景では、コレットマーレ横から動く歩道入口やコスモワールドの大観覧車(コスモクロック21。公式サイト)も視界に入りますが、
出口すぐ傍のところに用意されている観光マップの向こうには、郵便局の隣に位置するオフィスビル(富士ソフト本社ビル)、向かって左隣にはワシントンホテルやレストランなどが入居する複合商業施設”クロスゲート”(公式サイト)があるといった形で、東口のほぼ全方位で”新しい横浜”が展開されています。
近隣施設
みなとみらい駅エリアと馬車道駅エリアに準じます。