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【観光クルーズ】シーバス乗船記(山下公園発、横浜駅東口ベイクウォーターへ)
about “sea bass”
シーバス(公式サイト)は、みなとみらい線の終点である元町中華街駅圏内にある山下公園と、横浜駅東口にあるベイクウォーターを海上ルートで結ぶ”バス=bus,bass”です。
いかにも観光船というような背の高い船ではなく、むしろ若干平べったい作りになっている特徴を持つ水上専用船で、ネーミングの由来はシーバス=スズキから来ています。
シーバスが結ぶ航路両端の水質は、横浜駅東口のベイクウォーター付近が帷子川の淡水、山下公園付近が横浜港の海水であることから、淡水・海水双方で生きることが出来る”スズキ=シーバス(sea bass)”が採用されました。バスの綴りは魚の”bass”で統一されているようですが、実態としては「スズキ=sea bass」と「バス=bus」のダブルミーニングです。
そんなシーバスが開通したのは昭和60年代の話しで、もうかれこれかなり昔の話になります。
シーバス乗船記
山下公園乗船口
チケットは山下公園の”お祭り広場“付近にある売り場にて購入します。乗船の直前まで購入可能な当日券売りです。
チケット購入後は、氷川丸のすぐ隣に横付けされているシーバスへ。
山下公園のすぐ隣にあたる象の鼻エリアからも多くの観光遊覧船が出ているのですが、タイミングがよければ、シーバス乗り場付近からも観光船を眺めることが出来ます。
いざ、出航! タイミング的に、ベイクウォーター側から来たシーバスと入れ替わりでした。
シーバスは進みだすと結構速く、割とあっという間に山下公園の乗り場から遠ざかっていきます。
大さん橋付近
徐々に遠ざかる氷川丸・マリンタワーと、
徐々に近づいてくる大さん橋。毎年横浜の開港記念日(6月2日)、大さん橋には海上自衛隊の護衛艦が寄港します。
これは2018年の様子ですが、大さん橋では長蛇の列が出来ていて、護衛艦の艦内公開が大人気となっていることが分かります。
その現実はともかくとして、憲法解釈上自衛隊は軍隊ではないと解されているので、護衛艦(destroyer, 駆逐艦と同義です)は軍艦(warship)ではないとの捉え方も可能ですが、
海自の船には一般の商船や観光船とは明らかに違うカッコよさがあることもまた事実です。
横浜港内では、第三管区海上保安本部がある関係から、海上保安庁の巡視船はしばしば見かけますが、海上自衛隊の護衛艦はほぼ年一でしか見かけません。その意味では貴重な機会に当たります(海自の護衛艦や米海軍の軍艦を見たい場合は、横須賀まで足を延ばす必要があります)。
護衛艦の横浜港への寄港には特別感がありますが、みなとみらいの高層ビル群を背景にした護衛艦に近づいているように見える船は、タグボートの”ゆみはり号”です。
ピア赤レンガ桟橋へ
山下公園を出航後、大さん橋付近を経てピア赤レンガに向かう途上、他の観光船ともしばしばすれ違います。今は無き観光船”マリーンシャトル”(参考:横浜市公式観光情報 “横浜港観光船「マリーンシャトル」が2021年7月で35年の歴史に幕“)や、
大さん橋に停泊中の観光船”ロイヤルウイング”(公式サイト)、
横浜駅東口方面から山下公園方面へと向かうシーバスなどなど。
船尾方向に対岸にある風力発電所・ハマウイング(公式サイト)が見えてくると、
ほどなくピア赤レンガ倉庫(赤レンガ倉庫傍に作られた桟橋です)へ到着します。
赤レンガパーク内、大さん橋側の海沿いにある一角が、赤レンガの船着き場となっています。
船が桟橋に横づけになると、右端に位置する海保の資料館・海上保安庁資料館横浜館(公式サイト)から左側に広がるみなとみらい方面の遠景を、赤レンガパークの向こうに望むことが出来ます。
ぷかりさん橋へ
ピア赤レンガを出航すると、進路右方向には大さん橋、
次の目的地はみなとみらいのぷかりさん橋(インターコンチネンタルホテル裏、女神橋傍)です。
横浜港内には海保の基地や施設が多くあるので、海保の巡視船も停泊しています。海自ではなく海保に縁の港が横浜港なのですが、余談として、船の名前の命名法について。
戦前の帝国海軍では、軍艦の命名にあたっては、艦の大きさによって、旧国名・山・川の名前から命名していました。英国海軍を母体として誕生した旧帝国海軍が国際慣習を引き継いだところに由来があるようで、現在の海上自衛隊でも一部その伝統が引き継がれていますが、海保の船の命名でも同様の傾向(旧国名・山・川名からの命名基準と実際の巡視船などの名前。それぞれ公式サイトより)が継承されています。
そんなこんなで、みなとみらいのぷかりさん橋へ到着です。
正面奥から左側に立っているのは、ヨコハマ・グランドインターコンチネンタルホテルで、
ぷかりさん橋の奥に位置しているのは、パシフィコ横浜です。
終点・ベイクウォーターへ
ぷかりさん橋を出航すると、次は終点のベイクウォーターです。
海から見ても一見してみなとみらいっぽい一帯を離れ、海から臨める陸側の景色が新興のタワマン・オフィスビルメインという、あまり華が無いようにも見える一帯を進みます。
海上からこの一帯を見ると、華が云々というよりは、高層ビル特有の威圧感を感じなくもないですが、みなとみらいの端から新高島~横浜にかけてのエリアです。
この辺りから横浜駅を挟んで東神奈川の手前あたりまで、海岸沿いはタワマン、オフィスビル、倉庫といった風景が中心になっていきますが、シーバスの航路はこの先横浜港内ではなく、帷子(かたびら)川を遡上します。ちなみに帷子川は、その昔、あごひげアザラシのたまちゃんが迷い込んだ川として一躍有名になった川です。
ここより先、なぜシーバスの背が低いのか、海を這うような船体となっているのかがなんとなく察せられるコースを進みます。海水がやがて淡水となっていく事とも併せて、シーバスのシーバスたる所以が発揮されるエリアに突入しますが、まずは貨物列車の鉄橋をくぐり、
次にはみなとみらい大通りの下をくぐります。シーバスが一隻止まっているのが見えますが、ベイクウォーターの発着場は、船の右側です。
振り返れば、みなとみらい大通り下から、はるか遠くに貨物列車の鉄橋が見えます。
ベイクウォータは、横浜駅きた東口A出口から徒歩圏内です。ベイクウォーターと連絡通路で結ばれているのは、同じく東口にある横浜そごうです。ベイクウォーター同様、横浜駅からは徒歩圏内で、中央東口地下街・ポルタの先にあります。
横浜駅東口方面のベイエリアど真ん中にある発着場ですが、山下公園からの便は、山下公園に向かうシーバスの出向を待って、乗り場へ入港します。
そして時間が来ると、再び山下公園へ。同じ航路を進んで戻ります。
ベイクウォーターのシーバス乗り場は、野外にある山下公園とは対照的に、室内に造られています。
ベイクウォーター発のシーバスは、開放感の中から横浜港内へと進んでいく山下公園側の乗り場からの航路とは反対に、ビルの内部からまずは川を下り、後に横浜港へと進みます。
山下公園発、ベイクウォーター発、どちらの便にもそれぞれの良さがありますが、横浜駅東口のロケーションを含めると、ベイクウォーター発のシーバスには”ここから横浜観光へ”という、玄関口的な魅力があるように感じます。
公式サイト/アクセス
シーバス公式サイト
ベイクウォーター・シーバス乗り場
横浜駅から徒歩で向かう場合、きた東口A出口が最寄りです。
山下公園・シーバス乗り場
山下公園通りから入る場合、中央入り口に向かってやや右側にある、山下公園東口からが最寄りです。