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【箱根旧街道線沿い史跡巡り その6】追込坂と甘酒茶屋
追込坂
湯本茶屋の一里塚や畑宿の一里塚方面から芦ノ湖畔を目指して進んだとき、猿滑(さるすべり)坂を過ぎた後に出てくるのが、二つのヘアピンカーブです。
何分にも七曲りの後のヘアピンカーブなので、終わってしまえばなんてことはないのですが、仮に道路の通され方を把握しないまま上り坂を歩いているとするなら、箱根ではこういう道がエンドレスに続くようにも思えてくるのではないかという、そんな感じのヘアピンカーブですね。
ちなみにこのヘアピンカーブ部分の歩道では、上にハイキングコースの一部(?)となっている階段坂が通されています。
歩いてみると見晴らしがよく、
車道すぐ隣の歩道を歩いているときに比べて安心感もあるのですが、
そこまで長いわけでもないこの階段坂を降りると、
再び割となだらかなストレートへと繋がり、
追込坂が見えてきます。
追込坂は現在、732号線から再び石畳へと合流するための坂道となっていますが、元々はすぐ傍にある甘酒茶屋に立ち寄るための坂道だったようです。
およそこの付近から、県道732号線と国道一号線(箱根新道)は大きく分岐します。
そのまま須雲川沿いを進み、箱根峠を経由して静岡・三島市を目指す国道一号線(箱根新道)に対して、県道732号線は芦ノ湖畔の元箱根方面を目指して通されているのですが、こと”旧街道”ということだと、県道732号線に沿って芦ノ湖畔まで進んだ後で、芦川の石仏群の先に伸びた石畳が国道一号線に合流し、その後静岡方面へは一号線に沿うように通されています。
ちなみに、箱根駅伝往路5区、復路6区のコースとなっている方の国道一号線も、芦川の石仏群から伸びた石畳同様、箱根峠で”箱根新道”の方の国道一号線に合流します。
笈の平(おいのたいら)碑
追込坂のすぐ傍(芦ノ湖側)には、笈の平(おいのたいら)碑があります。
その昔、関東での活動を終えた親鸞が弟子と共に帰京の途にあった時、皆が京に帰ってしまっては関東での教化活動を継続する人間がいなくなってしまうということで、弟子に関東での教化活動を託し、弟子と別れたのがこの笈の平の地だったといわれています。
笈とは経文などを入れて背負う箱のことですが、親鸞がこれを弟子に形見として託したことから”笈の平”と呼ばれるようになったようです。
箱根の哀しい歴史との一致ということでは、”お玉が池“のお玉ちゃんが獄門に処されてしまったのがまさにここ、関所破りで捉えられてしまった”ヲイタイラ”こと笈の平だったといわれています。
甘酒茶屋
湯本方面から上ってきたとき、追込坂や笈の平碑の先にあるのが甘酒茶屋です。
旧街道時代以来の由緒を持つお茶屋さんは、
どこかかつてを思わせる雰囲気を今も残していて、
店内には囲炉裏もあります。
額に書かれているのは滝廉太郎の作曲で有名な”箱根八里”(KAZEKOZOU69チャンネル 箱根八里)の歌詞ですが、
店内に入った時点で、軽くタイムスリップ気分を味わえます。
店内だけでなくお店の周囲にも雰囲気はあるので、やはりここで一服したいという気分が強まってしまうのも人情ですね。
ということでちょっと一休み、甘酒、抹茶、ところてんを頂きました(その他、甘酒とところてんが二回にわけて出て来たので、運んでもらった回数分のお茶をいただきました)。
ちなみに、甘酒茶屋のすぐとなりには、
無料の休憩所が用意されているので、
甘酒茶屋の他、こちらの休憩所で休憩を取ることも可能です。
湯本からの行程であればかなり芦ノ湖に近づいてきましたが、甘酒茶屋から芦ノ湖畔までは、まだもう少々の距離があります。
アクセス
追込坂
笈の平碑