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【沿線の歴史的建造物】谷戸橋(元町中華街駅前、谷戸坂傍)
谷戸橋と元町中華街駅前の風景
ロケーション
谷戸橋は、みなとみらい線・元町中華街駅前に位置し、元町商店街のオブジェやシドモア桜のすぐ横から始まっている、堀川(=中村川下流域)上に架けられた橋です。
元町商店街(公式サイト)は向かって左手すぐのところからはじまっていますが、向かって右手ほぼすぐのところには港の見える丘公園・フランス山地区の入り口や山下橋が位置しています。
橋の向こうへ向かって伸びた道は本町通りで、日本大通りや馬車道・万国橋通りを経由し、みなとみらい方向へと延々続いています。
谷戸橋の元町側欄干すぐのところには一本の桜が植えられていますが、
かつて日米友好・親善のために東京からアメリカに送られた桜が、アメリカにて”桜の名所”を作り上げた後日本に里帰りした、その桜の苗木が山手の外国人墓地で眠るエリザ・シドモアさんの下に返ってきたというエピソードを持つ”シドモア桜“です。
元町側から谷戸橋に向かって左側には前田橋が、
向かって右側には、手前にフランス橋が、奥に山下橋が、それぞれ架けられています。
谷戸橋と横浜史
開港の翌年(万延元年=1860年)、外国人居留地の治安を維持し、居留民の身辺を保護するためにとして新たに堀川が(横浜港と中村川、大岡川をつなぐように)掘削されますが、初代の前田橋同様、初代の谷戸橋もおよそこの頃に架けられたようです(参考:旧・開港場と前田橋)。
現在の谷戸橋は、1927年(昭和2年)、関東大震災からの復興事業の一環として横浜市によって架けられました。
日本大通りにある神奈川県庁の本庁舎が竣工する前年、ホテルニューグランド(公式サイト)開業と同年のことです(参考:関東大震災後の山下町)。
すぐ近くには元町中華街駅の元町口の他、市営バスや神奈中バス、さらにはあかいくつ号の元町入口バス停も置かれているこの橋は、2005年(平成17年)に横浜市認定歴史的建造物に指定されたほか、
2015年(平成27年)には、”元町・山手地区の震災復興施設群”の一つとして(桜道沿いに架けられた桜道橋も、同じく同年の受賞の対象となっています)、土木学会選奨土木遺産にも認定されています。