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横浜中華街の歩き方(元町中華街駅からの食べ歩き。中華街大通り、関帝廟通り)
横浜中華街で、何をする?
以下の項目では、横浜中華街(公式サイト)観光にあたって、特に「中華街は初めて」「中華街には滅多に行かない」というような閲覧者の方の来訪を想定してまとめました。
プランの一助になれば幸いです。
まずは目的の確定から!
「中華街へ行こう!」というプランを立てる際には、まずは目当てのお店や目的をあらかじめ決めておくというやり方がお勧めですが、その際、中華街に求めるものとしてよくあるところを大雑把に区分すると、グルメ的なものを柱としたエンタメ人気が高いようです。
たとえば”グルメ”に絞った場合であれば、
1.中華のコース料理を求めるのか(高級店など)、
2.中華の一品料理をメインにするのか(名物店)、
3.点心・飲茶・食べ歩き・食べ放題を求めるのか(オススメ多数)、
4.中華以外を求めるのか(お店の数的になくはない、あるにはあります)、
といった選択肢が生じますが、特に食べることのみにこだわらないというような場合であれば、
5.どんな”エンタメ”を求めるのか(手相占いをはじめとする各種占いや中華街内の史跡巡り、関帝廟・媽祖廟詣で等々といった、”食”以外の”ならでは”もあります)、
6.雑貨や調理器具、食材、調味料、お土産等々を探すショッピングは出来るのか(勿論できますし、それぞれ名物店や老舗店もあります)、
という選択肢が追加されます。
参考:”【横浜の定番】みなとみらい線全駅・一日で回れる沿線観光スポット5選“内、”オススメpoint:横浜中華街“
ケース別の”お勧め”
目的 | オススメのケース |
高級店のコース料理 | 二人以上の中華街歩きで、記念行事・記念日等が絡んでいる場合にお勧め。 |
名物店での名物料理 | その料理が自分の好物である場合や、安く上げたい場合、さらには二度目以降の中華街で「これを食べてみたい」という目当てが出来た場合にお勧め。 |
食べ歩き・食べ放題 | 初回の中華街訪問や、特に食べたいものはないんだけどなんとなく中華を食べたい場合、とにかくお腹を満たしたい場合など、万能のお勧め。 |
中華以外 | 中華街にいるんだけど”中華”のお腹ではない、あるいはたまには中華以外のものを食べてみたい場合などにお勧め。 |
エンタメ/ショッピング他 | メインにもなり得るお楽しみとして。手相占いや雑貨屋さん巡り、お土産選び、媽祖廟・関帝廟詣で等がメジャーどころです。 |
もちろん、これが絶対的な正解だというわけではありませんが、それぞれの目的のオススメ要素をざっくりまとめてみると、およそこんな感じに分かれてくるのがよくあるところです。
大まかな価格帯について
食べ放題のお店に点心や飲茶のコースが用意されていることもしばしばありますが、横浜中華街の場合、
点心・飲茶は大体2500円程度から、
食べ放題は3000円程度から、
食べ放題+飲み放題は4000円程度から、
このあたりが相場で、値段はどのお店に入ったとしてもほぼ固定されています(ただし、例えば高級店や食べ放題設定がされていないお店など、この価格以上の料金を取るお店もあります)。
高級店のランチメニューは大体3000円~4000円程度から、ディナーは最安で5000円~6000円程度、相場としては10000円前後からの価格設定をよく見かけますが、コース料理は2人以上からという設定がされているお店も少なくないので、特に一人旅・一人街歩きの場合などには事前に注意が必要です。
このほか、まずは値段で選ぶ、名物の一品料理を食べてお腹を満たしたいという場合は、お店やメニューにもよりますが、大体一人前1000円程度から名物料理を一食食べることが出来ます。
中華街のお店
料理について
“味”については、少なくとも”中華街で中華料理を出すお店を営業出来ている”時点で、最低限の味は(あくまで知る限りの話しですが)保証されていることが多いです。
お店によっては”お店特有のクセ”がある場合もあるので(例えば食材やスパイスの使い方、辛味のつけ方などに起因するもの)、個人的な好みの部分で細かい評価がばらつくこともありますが、料理そのものについての大ハズレ店はまずありません。
探せばあるかもしれませんが、およそそのくらいの確率だと思っていても間違いはないでしょう。
分量については、特にコースやランチメニュー等の場合、日本のレストラン平均と比べて(あくまで体感ですが)やや多めに設定されているように感じることが多いです(なので食べ応えについては、お得感を感じることが多いのではないでしょうか、と思います)。
接客について
一方で”接客”についてはどうかというと、例えばお店によってはサービス自体が大雑把だったりやり取りがどこか不愛想だったりと、良からぬ話しが聞こえてくることもあるにはあります。
料理そのもの、味そのものと比べるとややバラツキが多くなるという面があるのもある意味中華街の”ならでは感”が強いところでもありますが、もちろん一般的には、ごくごく普通に、ていねいに接客してもらえます。
”名店”のロケーション -いいお店は隠れている?-
全国の観光地の”食事情”をピックアップしたとき、何らかの理由があってということなのか、お店ごと、スポット毎に、地元民と観光客が住み分けられているようなケースがあります。
具体的には、観光案内所等で「地元の人はあまりそこ(特定のお店、あるいはスポット)では食べないですね」といった感じで教えてもらえることがしばしばあるのですが、横浜中華街では特にそのような(地元民は中華街にはあまり行かないというような)傾向はありません。
特に”中華が苦手”ということでもなければ、定期的に中華街でランチやディナーを楽しんでいます。
一度行ったら「しばらくはいいや」となる、でもしばらくするとまた行きたくなる、その繰り返しですね。
理由は単純で、中華街がお手軽に行ける距離にあるのであれば、特に避ける理由がないからです。
また、中華街関連でよく聞く、目にする話に”名店が裏通りにある”、あるいは”いいお店は隠されている”といった類の話があります。裏を返せば、表通りでお客さんが列を作っているようなお店はその限りではないという真意を含む話ですが、この話しについても、そんなことは全くないような気がします。
美味しいお店、流行りもののお店には地元民もお店の前に普通に列を作り、普通に入りますからね。
ただしその場合でも、平日休日問わず、観光客の人数の方が圧倒的に多いという事実はあるでしょうが、お店の前に出来る行列にしても結局は”卵が先か鶏が先か”という話しになって来ますということで、横浜中華街では地元民と観光客が混在しているのが良くある話、日常風景です。
お店選びのポイント -定番店、流行店-
「とりあえず現地に着いたら、まずこれをゲットすべき!」というパンフレットに、年度別の”横濱中華街ガイドマップ”があります。
中華街の東門傍にある観光案内所”ChinaTown80“(公式サイト。後述)で入手することが出来る無料の地図なのですが、まずはこのパンフレットを入手して、その時点でガイド=コンシェルジュさんに不安点を色々聞いておくことによって、以後の時間がより盤石となることが期待できます。
極端な話完全ノープランで現地まで行ったとしても、その場(インフォメーションセンター)で自分の希望をしっかり伝えつつの会話が出来るのであればそれですべてOKです、ということになるのかもしれませんが、予めプランを色々持っておきたいというような場合、定番店探しや定番イベントなどを柱とした観光プランを考える際に一番のお役立ちとなるのは、恐らく”自分にとって読みやすい、市販のガイドブック“です。
ネットを使ってということであれば、例えば中華街公式サイトのショップ検索記事内にある”おしらべタグサーチ“(記事内左側の”shop search”にあるキーワードをクリックすると、その目的にあったお店がピックアップされます)もお勧めです。
その時その時の流行ものについては、例えばるるぶmore(公式サイト)の横浜中華街特集記事(”横浜中華街”でキーワード検索できます)や、”Ontrip JAL”(公式サイト)内の”横浜中華街の食べ歩きマップ最新版“など、ガイドブックや旅行会社系のサイトの記事がお勧めです。
about 中華料理
点心・飲茶・食べ放題
点心とは、間食・軽食(主菜とスープ以外の食べ物)のことです。
点心にお茶(中国茶)を付けたものが飲茶(やむちゃ)で、それぞれの起源はお茶(中国茶)とお茶請け(点心)の関係(点心+中国茶=飲茶)にあります。
横浜中華街でも、点心が楽しめるお店と飲茶が楽しめるお店、両方用意されていますが、この双方を凌駕する勢いがあるのが“食べ放題”店です。軽食・間食食べ放題ならついでに主菜や汁物も、飲み物にしても中国茶に限らずアルコールやソフトドリンクもといった形に進化した、点心・飲茶の最終形態のような(あるいは日本向けの)サービスを提供してくれるお店ですね。
食べ放題コースが用意されているお店では”大が小を兼ねている”(なんでもありの中から、あえて点心や飲茶に拘ってみるなど、こだわりのメニューを選択すればOK!)ということで、点心を食べることも飲茶を食べることも可能です。
四大中華料理と八大中華料理について
横浜中華街で中華料理を楽しもうと思った場合、知っておくと便利かつ有用な予備知識として、四大中華料理と八大中華料理の区分があります。いずれも中国の伝統的な料理のスタイルをピックアップ(区分け)したもので、4つ、あるいは8つの各地域ごとに異なる料理の特徴が提示されています。
横浜中華街の歩き方と”四大中華料理””八大中華料理”(11月27日公開)
横浜中華街で最初に押さえておきたい牌坊と道
地形把握のためのポイント
横浜中華街内には”知っておくとより楽しめる”というような場所は色々ありますが、”まずは地形を把握してしまいたい”と考えた時、およそ最初に抑えておくべき場所は限られてきます。
特に山下公園側、元町中華街駅の山下町口付近からスタートすることを想定した場合、個人的に挙げておきたいのは以下の4つのポイントです。
1.朝陽門と中華街大通りの位置関係を覚える
2.中華街大通りの善隣門と、長安道の位置関係(特に関帝廟通りの方向)を覚える
3.長安道沿い・地久門の位置と、関帝廟通りの位置関係をそこにつなげて
4.最後に関帝廟通りの端・天長門と南門シルクロードの位置関係を抑えておく
「まずは中華街の真ん中で”斜め”に傾いている長方形(=中華街中心部)の、真ん中(=一番繁盛している)部分を抑えてしまおう!」という、肝の部分の要所ですね。
5.JR石川町駅の中華街口(中華街西陽門)から中華街の西門(延平門)へのルート、
6.中華街の西門(延平門)から中華街大通りの善隣門へのルート(西門通り)、
以上二本の(石川町駅で下車後、1.中華街口=西陽門から西門、2.西門から善隣門を目指す)ルートを追加する必要がありますが、西陽門から西門、西門から善隣門へはほぼ道なりに進むことが出来るので、目的地をきちんとつかんでさえいれば、そこまで混乱することはないだろうと思います。
最後にまとめとしてもう少し絞って、”この一点だけ”ということであれば、中華街内でまず最初に覚えるべきは善隣門の位置です。
その次に中華街大通り、合わせて長安道という順で進めてもいいのではないかと思いますが、どこで迷ったとしてもさしあたり善隣門に着くことさえ出来れば、そこがほぼ中華街のど真ん中にあたるスポットなので、後は上記1~4、もしくは5・6を頭の中に入れておくことで、およその地形は把握することができます。
以下、まずは上記1~4を中心として記事を進めます。
朝陽門(中華街東門)付近
朝陽門
横浜中華街の東門・朝陽門(ロケーション)は、中華街の北端に通された開港道の起点であり、かつ中華街大通り傍に位置しています。
みなとみらい線・元町中華街駅の元町口傍にかかる谷戸橋付近からまっすぐ伸びたバス通りに面していて、東門からバス通りに対して垂直に伸びた通りは山下公園中央口付近(中央口交差点)と結ばれていますが、元町・中華街駅での出口選択時の注意点としては、“中華街口“ではなく”山下町口“の方が朝陽門に近いことが挙げられます。
現在東門=朝陽門の真下には、文化庁が作成した、明治初期=1880年のこの付近の様子を説明したプレートが展示されているほか、
開港道と南門シルクロードの交差点傍には、”Chinatown 80 Hall”(横浜中華街公式サイト “インフォメーション・センター「ChinaTown80」“)と名付けられたインフォメーションセンターが用意されています。
“Chinatown 80 Hall”は、中華街の案内人である”横浜中華街コンシェルジュ”(参考:横浜中華街公式サイト “コンシェルジュメンバーの紹介“。中華街内のお店のスタッフなどで構成されています)の専任スタッフが常駐し、パンフレットなども取り揃えてあるという、中華街に特化した観光案内所ですね(ATM、外貨両替機の利用も可能です)。
現地にて何か不安に感じることがあった場合、元プランにもう一声が欲しくなった場合、何はともあれ目指してみるのも一興かもしれません。
コンシェルジュのメンバーはインフォメーションセンターの他、大型のお土産屋さんにも常駐しています(参考:横浜中華街コンシェルジュ・横浜博覧会公式サイト、横浜大世界公式サイト)。
開港道
開港道は、横浜中華街(公式サイト)の東門(朝陽門)から加賀町警察署北交差点まで続く、中華街の北端に通された通りですが、開港道沿い、東門のすぐ傍には、中華街大通り・南門シルクロードとの交差点があります。
やや変則的な交差点で、開港道、中華街大通り、南門シルクロードがほぼ一点で交わる三叉路となっています。
開港道は北西方向に、中華街大通りは南西方向に、南門シルクロードは南方向にそれぞれ伸びていますが、東門を背にした場合、正面が中華街大通り、左が南門シルクロード、右が開港道です。
開港道について:開港道(中華街東門傍から大さん橋通り方面へ)
中華街大通り
東門を入ってほぼすぐのところから始まっているのが、横浜中華街のメインストリートである中華街大通りです。
東門の傍から、長安道との交差点である善隣門まで続いていますが、善隣門の外側では”斜めに傾いた中華街の西端に通された道”である長安道と直行している他、二本の道(北門通り、西門通り)ともつながる五差路が形成されています。
地形把握の際ポイントとなるのは、東門、開港道との分岐、善隣門、長安道です。
中華街大通りについて:中華街大通り(横浜中華街のメインストリート)
長安道へ
善隣門
東門=朝陽門側から中華街大通りをまっすぐ歩いていくと、やがて善隣門に到着します。
門の扁額(へんがく)には「親仁善隣」とありますが、これは『春秋』(中国・春秋時代の思想家・孔子がしたためた書)の解説書である『春秋左氏伝』から引かれた言葉で、「隣の家や隣の国の人と仲良くすることが、国にとって何より大切なことだ」といったところを意味しています。
横浜=日本にある中華街で掲げられた言葉だという点からは、特に日本にとっての中国(かつての中華民国、現在であれば特に台湾系の人々)、中国にとっての日本が、この場合の”隣国”であり”隣人”に該当しますが、“親仁善隣”の言葉が掲げられた善隣門は、現在も中華街にとってとても大切な門だと判断されているようです。
外側には現在の中華街の牌楼の原則通り、”中華街”と表記されています。
豆知識として、善隣門は昭和30年=1955年に”牌楼門”として作られたことにルーツがありますが、かつての善隣門=牌楼門の扁額には、”中華街”と記されていました。この”中華街”表記を境として、それまで”南京町”と呼ばれていた横浜の中国人街は、以降”(横浜)中華街”と呼ばれるようになっていきます。
中華街大通りはここまでで、前記したように門の外には長安道などが通っています。
善隣門と長安道
善隣門の前は、1・2.長安道(善隣門前で左右に伸びた通り)、3.中華街大通り(善隣門奥)、4.西門通り(善隣門を背にして左斜め前に伸びた通り)、5.北門通り(善隣門を背にして右斜め前に伸びた通り)、以上5本の道が一点で交差する五差路になっています。
この交差点から善隣門を背にして長安道を左手に進むと、関帝廟通り方向へ向かいます。
長安道と地久門
長安道沿いに作られた地久門は、関帝廟通りの入り口に当たります。
関帝廟通り
“関帝廟通り”の命名は、通り沿いに関帝廟があることに由来しています。
中華街大通りに並行するように通された通りで、道沿いには関帝廟や“日本国新聞発祥の地”記念碑、山下町公園、“日本のフットボール発祥の地”記念碑などがあります。
長安道沿いの地久門から、南門シルクロード沿いの天長門まで続きます。
南門シルクロード
南門シルクロード
南門シルクロードは、横浜中華街の東門(朝陽門)付近から南門(朱雀門)に向かって伸びた道で、中華街大通り、関帝廟通りという、中華街内の二本の大通りに直交しています。
中央付近には、関帝廟通りとの境目に天長門が作られています。
道沿いには媽祖廟(公式サイト)もあり、近隣に位置する元町商店街(公式サイト)とは前田橋で結ばれていますが、ここ最近の傾向として、通り沿いには食べ歩き系のお店が増えているようです。人通りも車の量も多いので、ドライバー・歩行者共通行注意!な通りです。
朱雀門
朱雀門(中華街南門)は、南門シルクロードの元町側の端点です。
元町商店街方向とは、”MOTOMACHI”表記の下に通されている前田橋で繋がっています。
その他の主な道・門etc
別記事に移転しました。
参考:【横浜観光FAQ/グルメ・さんぽ】覚えておくと”より横浜中華街が分かりやすくなる”道と門